丸棒状酸化亜鉛
丸棒状酸化亜鉛(ZnO)とは
酸化亜鉛(ZnO)は、非鉄金属である亜鉛を酸化処理により製造した酸化物で、外観は白色の粉体です。
当社の酸化亜鉛は、棒状でかつ丸みを帯びた形状であることが特徴で、フィラーとして混錬した際に充填しやすい効果があります。また、丸棒状酸化亜鉛をそれぞれ用途別に①熱伝導性の向上に、放熱性 丸棒状酸化亜鉛、②電気伝導性の向上に、導電性 丸棒状酸化亜鉛を開発しました。

丸棒状酸化亜鉛
〈放熱・熱伝導フィラー向け〉放熱性 丸棒状酸化亜鉛の特徴
一般的に酸化亜鉛は放熱材料として、アルミナ(酸化アルミニウム)やマグネシア(酸化マグネシウム)に対して下記のような優位性を有しています。
- 1.モース硬度が低く、放熱部材を製造する装置への攻撃性が低い
- 2.熱膨張係数が低く、放熱部材の寸法変化への影響が小さい
- 3.マグネシアと比較して耐水性に優れる
また、当社の放熱性 丸棒状酸化亜鉛は、特に放熱部材に対して以下の3つの有効性が期待されます。
- ①高アスペクト形状のため、熱伝導パスを形成しやすい
- ②結晶構造由来の角を落としているため、樹脂などへ充填しやすい
- ③球状粒子よりもフィラー同士の接触面積を確保しやすい
丸棒状 酸化亜鉛は
フィラー同士の接点を増やし、熱伝導パスを形成します


結晶構造由来の"角"がなく丸みを帯びているため
樹脂が増粘しにくいです

〈放熱・熱伝導フィラー向け〉放熱性 丸棒状酸化亜鉛の物性例

以下のような課題をお持ちの方は、是非お気軽にお問い合わせください。
- ・形状に特徴のある放熱/熱伝導フィラーを試してみたい
- ・窒化ホウ素フィラーの充填しにくさに困っている(増量フィラーとして組合せ)
- ・窒化アルミニウムの耐水対策に困っている
〈帯電防止フィラー向け〉導電性 丸棒状酸化亜鉛の特徴
一般的に酸化亜鉛はアルミニウムをドープする(AZO)ことにより粉体の体積抵抗値を200Ω・cm程度まで下げることができ、帯電防止フィラーとして広く使われています。当社では、アルミニウムドープに加え、ドープ元素をガリウムに変更することで粉体の体積低効率を5Ω・cm程度まで下げることを実現しております。ATO(Sbドープ酸化スズ)系の帯電防止フィラーに対して、以下のような優位性を有します。
- 1.酸化スズよりモース硬度が低く、製造装置への攻撃性が低い
- 2.Sb(アンチモン)を含まないため人体や環境に優しい
- 3.白色度が低い(灰色)ため、暗い色の意匠性を維持しやすい
- 1.高アスペクト形状のため、電気伝導パスを形成しやすい
- 2.結晶構造由来の角を落としているため、樹脂などへ充填しやすい
- 3.ドープ元素種の変更により求められる導電性に応じた粉体を選択することが可能
当社丸棒状酸化亜鉛には金属元素ドープにより
電気伝導性を付与することが可能です


ドープする金属元素種を変更することにより
電気伝導性を調整することが可能です

〈帯電防止フィラー向け〉導電性 丸棒状酸化亜鉛の物性例
